【怪談】電源を切ったはずなのに、また起動する―中学一年生の夏に起きた不可解な話

こんにちは。御統いつきです。

暑~い夏といえば、やっぱり怪談!

今日は、私が中学一年生の頃に実際に体験した、
ちょっぴり背筋が寒くなるお話をしたいと思います。

「怖い話はちょっと苦手・・・」という方は、
ここでブラウザバックをおすすめします。

大丈夫な方は、どうぞこの先へ。

少しだけ、涼しくなっていってください。


これは、私が中学一年生だった頃の話です。

夏休みに入り、
私は毎日実家で過ごしていました。

当時大学生だった兄も夏休みになり、
実家へ帰省してきました。

私は兄が帰ってくるのが楽しみで、
帰省中の兄と一緒に遊んだり、
紅茶とお菓子を片手にいろんな話をしたり。

今思えば、とても穏やかな夏休みでした。

夏休みということを除けば、
いつもと何も変わらない日常。

…あの日までは。


ある日、私は実家のノートパソコンを使っていました。

何を調べていたのか、
どんなサイトを見ていたのか。

細かいことは、もう覚えていません。

ただ、ひと通り用事が済んだので、
ブラウザを閉じてパソコンの電源を切りました。

画面が暗くなり、パソコンの動作が止まる。

いつものことです。

電源を切ったパソコンは、
こちらが電源を入れない限り起動しない。

それが当たり前だと思っていました。

ところが。

しばらくすると――

パソコンが、勝手に起動したのです。

「…え?」

最初は、自分の見間違いかと思いました。

けれど、確かに電源が入っています。

私はパソコンに触れていません。
兄も電源を入れていません。

母も触っていません。

父は会社へ出勤していて、家にはいませんでした。

祖父母も家にはいましたが、別の部屋。

そもそも、
祖父母はパソコンや携帯電話を使いません。

つまり。

誰も電源を入れていない。

それなのに、
目の前のノートパソコンは普通に起動している。


もちろん、最初に考えたのは故障です。
あるいはウイルスかもしれない。

そう思って確認してみました。
ウイルススキャンもしました。

けれど、ウイルスには感染していません。
特に思い当たるような不具合もありませんでした。

「じゃあ…なんで?」

理由が分からない。

それが、一番怖かった。

私はもう一度、パソコンの電源を切りました。

これで終わる。

そう思ったのです。

ところが――

しばらくすると。

また、電源が入りました。

「…え?」

さっきと同じです。

誰も触っていない。
なのに、起動している。

私はもう一度電源を切りました。

そして、しばらくすると――

また起動する。

電源を切っても。
電源を切っても。

しばらくすると、勝手に電源が入る。

さすがに、この頃には笑えませんでした。


故障なのだろう。

そう思えば、それまでです。

けれど当時の私は中学一年生。

何度電源を切っても
勝手に起動するノートパソコンを目の前にして、
ただただ怖くなっていました。

しかも、

「これ、修理に出したらどうなるんだろう」

そんなことまで考えてしまいます。

もし修理に出すために段ボールに入れたあと、
その中で勝手に電源が入ったら?

暗い箱の中で、
ひとりでにパソコンが起動していたら?

・・・そんな想像をするだけで、
ぞっとしました。

だからといって、
ずっとこのままにしておくわけにもいきません。

私は、どうにかして
この「暴走」を止めようとしました。


そこで、あることを思いつきました。

ACケーブルを抜いてしまえばいい。

ノートパソコンにはバッテリーがあります。

ACアダプターやケーブルを抜いても、
バッテリーが残っていればしばらく動きます。

でも、バッテリーがなくなれば、
さすがに動かない。

つまり――

兵糧攻めです。

我ながら妙な作戦だと思いました。

でも、当時の私には、
それしか思いつきませんでした。

それから、どれくらい格闘したのか。
数時間だったと思います。

そしてようやく。

ノートパソコンの暴走は止まりました。

静かになった画面を見て、
私はようやく少しだけ安心したことを覚えています。


後日、家族は
そのノートパソコンを修理に出しました。

メーカーに点検してもらった結果。

原因が分かりました。

ハードディスク(HDD)が故障していたのです。

ハードディスクを交換してもらい、
修理から戻ってきたノートパソコン。

それからは、
勝手に電源が入ることはありませんでした。

やっぱり、ただの故障だったのでしょう。

きっと、そうです。

・・・たぶん。


今回のお話は、いかがでしたか?

今になって考えれば、
ハードディスクの故障が原因で、
あの不可解な現象が起きていたのだと思います。

そのノートパソコンは、
数年後にリサイクルへ出しました。

だから、
今となっては本当のところは分かりません。

ただ。

あの夏の日。

電源を切ったはずのパソコンが、
誰にも触れられていないのに、
何度も勝手に起動したこと。

そして、

その理由が分からないまま、
何度も電源を切ったこと。

これは今でも、私の記憶に残っています。

怪談には、幽霊が出てくるとは限りません。

「説明できない何か」が、
いつもの日常に突然入り込んでくる。

私は、そういう瞬間こそ、
いちばん怖いのかもしれないと思っています。

・・・まあ、本当にただの故障だったのでしょうけどね。

それでは、今回はこのあたりで。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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コメント

  1. スオウ より:

    最後まで読ませていただきました。
    まるで、「昔々、とても機械好きな妖精がいて、その妖精は人間の壊れた機械を直して感謝されることを喜びとしていた。しかし、人々はその妖精に感謝することがなくなり、存在自体忘れられてしまったその妖精は、気まぐれに人間の機械を狂わせたり壊したりをするようになった」
    と言うグレムリンと言う妖精に似てますね。
    霊的なものが関係ないとしていても、
    何より理由がわからないことが1番恐ろしいです。

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