占星術と占星魔術―星の力を行使する2つの秘儀―

こんにちは。セレシアです。

星の力を行使する秘儀である「占星術」と「占星魔術」。起源は数千年前とも言われ、兄弟関係にある「占星術」と「占星魔術」ですが、両者の目的は違います。

今回は「占星術」と「占星魔術」の関係と、現代まで伝わる2つの占星魔術について書いていきます。

占星術と占星魔術

星の力を行使する秘儀として「占星術」と「占星魔術」があり、これらは次のように定義されています。

「占星術」は星の位置・運行から現状を把握し、未来を予測したり、問題の解決策を探るもの。

「占星魔術」は直接星の力を行使して願望を叶えたり、目的を達成させるもの。

現状把握・未来予測・問題の解決策を導き出すために占星術を用い、目的を達成するために魔術を行いますが、魔術儀式を行うタイミングは月相(月のサイクル)やプラネタリーアワーなど、星回りを見て決めることが多いです。

さらに、マジカルオイルやインセンス、パウダーなどを調合する際も星回りを見て行います。

惑星のマジカルオイルやインセンスの場合は、惑星が支配する曜日とプラネタリーアワー(惑星時間:ソロモン惑星護符の算出方法)、かつ月が満ちている期間に調合の儀式を行って惑星の力を注入します。

目的別マジカルオイル・インセンスの場合は、月相はもちろん、調合するものの目的(例えばプロテクション、プロスペリティ、ラブなど)に対応する惑星のプラネタリーアワーを見て調合の儀式を行います。

西洋魔術の世界では必ずと言って良いほど「占星術」の要素が絡んでおり、「占星術」と「魔術」は切っても切り離せないのです。

西洋魔術において魔術儀式や、マジカルオイル・マジカルインセンスの仕込みは星回りや月相、プラネタリーアワーなどを考慮して行うことが多いですが、なぜそこまで面倒くさいことをするのかというと、宇宙や自然界のサイクルに沿って行うことで効率が良くなり、かつ最大の効力を発揮するからです。

魔術は宇宙や自然界の力を借りて願望を叶え、目的を達成させる技術でもあるので、宇宙や自然界のことを知らなければその力を行使することができません。

科学と同様に、魔術も法則や仕組みを知らなければその力を行使できないのです。

星の力を行使する占星魔術

直接星の力を行使して願望を叶え、目的を達成させる秘儀である「占星魔術」。

現代まで残っている占星魔術は「ソロモン惑星護符魔術」と「ピカトリクス占星魔術」の2つが知られています。

ソロモン惑星護符魔術

ソロモン惑星護符魔術は『ソロモンの大いなる鍵』に記された魔術で、これは「ソロモン惑星護符」と呼ばれる太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星の護符を用いて願望・目的の達成に役立てるというものです。

ソロモン惑星護符は太陽7種類、月6種類、水星5種類、金星5種類、火星7種類、木星7種類、土星7種類の計44種類あります。それぞれの護符にはそれぞれ意味や能力が割り当てられていますので、自分の願いや目的に合った護符を選択することになります。

ただし、惑星護符はあくまでも「入れ物」なので、護符を作っただけでは意味がありません。惑星護符を「タリスマン」として機能させるには儀式で惑星の力を吹き込む必要があるのです。

神社やお寺のお守りも、神職や僧侶が祈祷して御神気を吹き込むという手順を踏んでいるから「お守り」になるのであって、その手順を踏んでいなければ「ただのモノ」です。

ソロモン惑星護符の儀式は惑星が支配する曜日とプラネタリーアワーに行うことになります。太陽なら日曜日のプラネタリーアワーに儀式を行うことになります。

ただし、願いによって儀式を行う月相は変わってきます。

収入アップ、出会い、愛の成就などの「増やしたい願い」なら新月から満月前日までの月が満ちている期間。余分な脂肪を落としたい、嫌な上司・同僚を遠ざけたいなどの「減らしたい願い」なら満月翌日から新月前日までの月が欠けている期間を選びましょう。

ピカトリクス占星魔術

ピカトリクス占星魔術は『ピカトリクス』に記された魔術で、こちらは「占星護符」と呼ばれる星の護符を用いて願望・目的の達成に役立てるものです。

※『ピカトリクス』:中世の魔術書。元々は中世アラビアで書かれた『ガーヤト・アル=ハキーム(賢者の極み)』という魔術書。12世紀にラテン語に翻訳されたものが『ピカトリクス』で、後の魔術書に影響を与えたと言われている。

ピカトリクス占星魔術は七惑星の他、スピカ、レグルス、アルゴル、プレアデス、アンタレスなどの恒星、星座、28ある月相の力も行使します。それらの力を封入した護符は最も強力な護符として王侯貴族の間でもてはやされたそうです。

ピカトリクス占星護符もソロモン惑星護符と同様、指定されたデザインなどの決まり事に沿って制作、儀式をしなければなりません。

ピカトリクス占星魔術はソロモン惑星護符魔術と違って儀式自体はシンプルではあるものの、占星術的に星の力が強い時に儀式を行う必要があり、その日時の選定には高度な占星術の知識を必要とします。

しかも、ピカトリクスの惑星護符には少し注意しなければならない点もあります。

それは本人のネイタルチャート(出生時のホロスコープ)によって、使用できる(ピカトリクスの)惑星護符が限られてくるという点です。

ピカトリクスの惑星護符は強く出ている惑星の護符を使用するのが基本で、惑星の力の強弱は本人のネイタルチャートで判断します。強い惑星の護符なら問題なく使用できますが、弱い惑星の護符は避けた方が良いでしょう。

例えば、火星の力が弱い人に火星の護符、太陽の力が弱い人に太陽の護符はあまりお勧めできません。弱い惑星の護符を絶対に使用してはいけない!というわけではないのですが・・・

その理由は、弱い惑星は本人に与える惑星の力が弱いので思うような効力を期待できず、期待しすぎるとかえって裏目に出る可能性があるためです。

(ちなみに、私の場合は金星と火星が強いという結果でした。私がピカトリクスの惑星護符を使用する場合は金星または火星がベストということになります)

ピカトリクス占星魔術は日本ではマイナーなため、ご存知の方は少ないかもしれませんが、欧米ではセレブや富裕層が密かに使用しているとも言われるほどです。

世界的にはクリストファー・ワーノック氏、日本ではクリストファー・ワーノック氏に師事している芳垣宗久氏がピカトリクス占星魔術の大家です。

余談ですが、芳垣宗久氏が監修した魔術アクセサリーが「プラネテス」シリーズとしてナチュラルスピリットで発売されています。これは『ピカトリクス』の叡智を取り入れ、八石貴の末広友子氏がデザインと制作を手がけた本格的な魔術アクセサリーとなっています。

私も「プラネテス 惑星リング」を1つ所有しており、繊細で品のあるデザインがとても気に入っています♪

まとめ

今回は「占星術」と「占星魔術」の関係と、現代まで残る2つの占星魔術を取り上げました。

初めて占星魔術を行う場合は、プラネタリーアワーと月のサイクルで儀式日を選定できる「ソロモン惑星護符」の方をおすすめします。

なぜなら、ソロモン惑星護符はホロスコープが読めなくても、高度な占星術の知識がなくてもできるからです。(とはいえ、占星術の知識はあった方が良いですが・・・)

私もソロモン惑星護符魔術を何度か行ったことがあります。ソロモン惑星護符魔術は願いや目的に合わせて護符を選択できる、かつ星自体は実在する存在でイメージしやすいため、個人的には最も好きな召喚魔術です。

ソロモン惑星護符魔術のやり方はこちら↓

【召喚魔術】ソロモンの大鍵・惑星護符魔術
こんにちは。セレシアです。 今回はタイトル通り、ソロモンの惑星護符魔術の紹介です! ソロモンの惑星護符とは『ソロモンの大いなる鍵』という魔術書にある護符で、七惑星(太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星)の力を召喚して願いを叶えると伝えられ...

興味のある方はぜひご覧ください!

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