こんにちは。セレシアです。
西洋魔術の花形といえば召喚魔術！
精霊や天使などといった霊的存在を召喚する魔術を召喚魔術といいます。天使であれば天使召喚、悪魔であれば悪魔召喚（正確には悪魔喚起）と呼ばれます。
今回は、魔術書『アルマデル』に記された天使召喚魔術を取り上げます。
魔術書『アルマデル』について
『アルマデル』は中世から近世にかけて流布した魔術書で、現在流布しているものはマクレガー・メイザースが翻訳したものです（諸説あり）。
この魔術書には「シジル」と呼ばれるシンボルに、天使や精霊の力を注ぎ込んでタリスマンを作る方法が記されています。『アルマデル』には多彩なシジルが記載されており、主に儀式で召喚するのは天使ですが、中には悪魔と思われるものもありますので注意が必要です。
次に、アルマデルの天使召喚術のやり方を紹介します。
アルマデル天使召喚術のやり方
用意するもの
- 願いに対応した天使のシジル
- 聖水（自分で作ることができます。聖水の作り方はこちら）
- ワンドとアサメイ（アサメイはなくても可）
- キャンドル（なくても可）
- インセンス（特に指定はなし）
- 魔法円
あらかじめ自分の願いに対応した天使を選び、そのシジルを用意します。シジルは紙（正式には羊皮紙）に指定された色で描きます。正確に描くことが大事なので、上手に描けなくても問題ありません。
天使には儀式を行う時間が指定されていますので、自分が召喚したい天使の指定時間も事前に調べておきます。ボイドタイムにかぶっていないか調べることもお忘れなく！
儀式を始める前に入浴やシャワー、歯磨きをして身を清め、清潔な魔術用の服（黒服や普段着ていない服でもOK）を着用します。最低でも儀式の２～３時間前は食事を絶ってください。
儀式の手順
＜魔法円の召喚＞
魔法円の中に入り、儀式の場を清めるために小五芒星追儺儀式（LBRP）を行います。
＜魂（精神）の準備＞
聖水を場に振りまいて次の祈祷文を唱えます。
父と子と聖霊の名において。
汝の神聖なる天使によって、我を深く審理せよ。
永遠に清純なる処女マリアから生まれたイエスの名において。
願わくば、汝の真理が永遠に消えぬ事を。
アーメン。
さらに次の祈祷文を唱えます。
おお、聖アンデレ、聖トマスよ、我が守護者であれ。
おお、大天使ミカエルは我の全ての活動に助力をもたらす。
他の何が存在しなくとも我が主は確かにある。
彼の軍団である全ての者に対し、偉大にして恐れ多き唯一の者よ。
我が主なる神イエスと人々の間に立てられた誓いにもとづき、
恩恵をもって我をとり保つ者よ。
主なる神イエスよ、彼の法を我に負わせたまえ。
我が父として、神として、
そして偽りのない我が最愛のエマニュエルとして、
全ての時と、我が人生の瞬間において常に我とともにあれ。
おお、聖ペテロ、神の栄光と我が隣人の恩恵のため、
我が邪悪の全てを燃やせ。
おお、聖パウロ、我が祈りに寛容であれ。
我は汝に己の懺悔を行う。
おお、イエス・キリスト、永遠なる栄光の王よ。
我は汝に慎ましやかに祈る。
信仰と博愛における我々の再生の基盤である
汝の最も神聖なる傷によって、
汝の喜ばしき、永遠に清らかな聖母マリアによって、
そして汝の全ての聖徒によって、
この儀式が妨げより守られるように。
我は死に至るまで信仰と博愛に身を尽くす。
不信心な者にならないように言う。彼はここにあり！
＜作業前の祈祷＞
主、我が全能なる神よ、我は我が作業のために祈る。
これらの聖なる名、父、子、そして聖霊によって、
我と我が作業が満たされんことを。
汝の名のより大きな栄光と、我が隣人の進歩と恵みに。
アーメン。
＜天使の召喚＞
天使の姿をイメージしながら、次の天使召喚文を3回唱えます。
おお、不滅の全能なる神よ、
汝を称え敬う全ての創造物を汝のしもべである人間へと造り与えた者よ。
我は汝に○○（天使の名前）を我がもとへと送るように心から願う。
そしてその者の持つ力が我に教え伝えられるように、
汝が意志を持ってなしたもう。
汝の唯一遣わせた息子イエス・キリストの名において。
アーメン。
※天使が現れない場合は、次の呪文を3回唱えます。
我（術者の名前）は汝（天使の名前）を強く呼び出す。
神の聖なる名と偉大なる力によって。
汝よ、直ちに、遅れることなく、
雑音を起こすことも、我が身に害を与えることもなく、
純粋な姿で我がもとへと現れよ。
我が汝に命令する、その全てに応えるために。
そして我は汝に強く命じる。生ける神の偉大なる名によって。
アーメン。
＜天使との対話＞
天使を召喚したら、天使に自分の願いを伝えます。願いが叶った後の様子を五感を使って具体的にイメージしてください。自分の納得のいくまで集中力が続く限り行いましょう。
万が一、天使が現れず儀式をやめる場合は、これを飛ばして天使の退去に入ってください。
＜天使の退去＞
召喚した天使を退去させます。次の退去文を唱えます。
汝が平和的に、静かにやって来て、
そして我が請願に応えたので、我は汝を遣わせた神に対し礼を言う。
汝のあるべき場所へと退去せよ。
そして汝よ、我が汝を呼ぶ時には常に応じるようにあれ。
我らが主キリストの名において！アーメン。
＜魔法円の退去＞
天使を退去させたら、小五芒星追儺儀式（LBRP）をもう一度行います。
小五芒星追儺儀式を終えたら魔法円から出て、道具を片付けたら儀式は終了です。
タリスマンを制作する場合、これら一連の作業を連続して3日間、同じ場所、同じ時間に行う必要があります。3回に渡る全ての作業を終えたらタリスマンは完成です。
タリスマンは持ち歩くなどして常に身に着けるか、人目のつかないところにしまっておきます。そして、掛けた願いは忘れてください。
タリスマンの効力が弱まったと感じたら、儀式を行ってパワーチャージすることができます。同じ天使を召喚するのであれば、2回目以降も同じシジルを使うことができます。
願いが叶ったら
願いが叶ったら、天使に旅立つ許可を与える「使用後の作業」とよばれる所作を行います。
使用後の作業は、タリスマンに向かって次のような呪文を唱えます。
汝のあるべき場所へと平和に去れ。全ての永久から。
汝と我らの間に平和があるように！
術をやめる場合も同様に、使用後の作業を行ってください。シジルを処分する場合も同様に、お香で浄化して使用後の作業を行ってから処分してください。
まとめ
今回は、魔術書『アルマデル』に記された天使召喚術を取り上げました。
これは伝統的な天使召喚術で白魔術に属します。召喚魔術は高等魔術に属しますので、道具と儀式を行う空間・時間が必要になりますし、それなりに魔力（気力）と体力を消費します。
とはいえ、この魔術で製作したタリスマンはとても強力なお守りになりますし、ハードルは高くなりますが、どうしても叶えたい願いがある方は挑戦してみてくださいね！
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