魔女が大切にする「8つのサバト」―季節の変化に気づくと、自分の人生も少し見えやすくなる

こんにちは。御統いつきです。

「最近、季節を感じていますか?」

春になったら桜を見て、
夏になったら暑さを感じて、

秋になったら少し寂しくなって、
冬になったら家の中で過ごす。

私たちは当たり前のように季節の中を生きています。

でも、忙しく暮らしていると、
季節が変わったことさえ、
いつの間にか通り過ぎてしまうことがあります。

気づいたら春が終わっていた。

気づいたら今年も半分終わっていた。

気づいたら、また一年が過ぎていた。

そんな感覚を持ったことがある人も、
少なくないのではないでしょうか。

魔女の文化には、
そんな「いつの間にか過ぎていく時間」に、
意識的に立ち止まるための習慣があります。

それが「サバト」です。

サバトは、季節に「区切り」をつくるもの

サバトとは、季節の移り変わりを祝い、
自然の恵みに感謝する儀礼のこと。

古代ケルトなどの季節祭や民間の伝統を背景に、
現代のウィッカ、ウィッチクラフトの中でも大切にされています。

一年には、8つのサバトがあります。

春分、夏至、秋分、冬至。

そして、その間にある4つの節目。

つまり、

「一年の流れを8つの節目で感じていく」

という考え方です。

面白いのは、
サバトが単に「季節のお祭り」ではないこと。

それぞれに、

  • 始める
  • 育てる
  • 強める
  • 収穫する
  • 感謝する
  • 手放す
  • 再生する
  • 準備する

というテーマがあります。

これって、実は私たちの人生にもよく似ています。

人はずっと成長し続けるわけではありません。

始める時期もあれば、
育てる時期もある。

頑張る時期もあれば、
休む時期もある。

手放す時期もあれば、
もう一度生まれ直すような時期もある。

自然がそうであるように、
人間にも「季節」がある。

サバトは、そんなことを思い出させてくれるのです。

では、8つのサバトを見ていきましょう。

1.オスタラ――「始める」

春分頃

オスタラは、春の訪れを祝うサバトです。

冬の寒さが少しずつ緩み、
植物が芽を出し、世界が再び動き始める。

昼と夜の長さがほぼ等しくなり、
ここから少しずつ昼が長くなっていきます。

そんなオスタラのテーマは、

「種をまくこと」。

新しいことを始めたり、
これから育てていきたいものを決めたりするのに向いている時期です。

サバトでは、始めたいことや願いを書き出して、
それを捧げるような所作が行われることもあります。

ここで大切なのは、

「すぐに結果を出す」

ことではありません。

種をまいたからといって、翌日に花が咲くわけではない。

だからこそ、

「今は、始めればいい」

という季節なのだと思います。

2.ベルテーン――「育てる」

4月30日〜5月1日頃

ベルテーンは、夏の到来と植物の成長、豊穣を祝うサバト。

オスタラで出会った太陽神と女神の結びつきを祝う時期でもあり、
生命力や愛、豊かさといったテーマを持っています。

オスタラが「種をまく」なら、
ベルテーンは「育てる」。

始めたことを少しずつ育てていく季節です。

私たちは何かを始めると、

「いつ結果が出るんだろう」

と焦ってしまいます。

でも、植物だって同じ。

芽が出たあとには、
根を張る時間があります。

人生にも、

「まだ結果には見えないけれど、確実に育っている時間」

がある。

ベルテーンは、そんな時間を信じる季節でもあるのかもしれません。

3.リーザ――「力を受け取る」

夏至頃

リーザは夏至のサバト。

一年の中で昼が最も長く、太陽の力が強くなる節目です。

そのため、生命力や太陽、火、成長などが大きなテーマになります。

同時に、火の力を使って
「不要なものを燃やし、手放す」
という浄化の儀礼が行われることもあります。

悲しみ。
古い習慣。

もう必要のない思い込み。
自分を苦しめているもの。

紙に書いて、火に託す。

これは、とても象徴的な行為です。

頭の中だけで「手放そう」と思っていても、
なかなか手放せないことがあります。

だからこそ、人は昔から、

「形にする」

ことで心を整理してきたのかもしれません。

4.ルーナサ――「受け取る」

8月1日頃

ルーナサは、最初の収穫を祝うサバト。

ここから少しずつ、
夏の終わりと秋の気配が近づいてきます。

ここで大切なのが、

「自分が受け取ったものに気づく」

ということ。

私たちは、足りないものにはすぐ気づきます。

もっとお金があれば。
もっと時間があれば。

もっと愛されれば。
もっと成功すれば。

でも、

「すでに何を受け取っているだろう?」

と考える機会は、意外と少ない。

今年、自分が育ててきたもの。
誰かからもらった優しさ。

何気ない日常。
ここまで生きてきた時間。

収穫とは、作物だけではありません。

自分の人生にも、すでに収穫できるものがある。

ルーナサは、そんな視点を思い出させてくれます。

5.メイボン――「感謝する」

秋分頃

メイボンは第二の収穫祭。

昼と夜が再びほぼ等しくなり、
ここから夜が長くなっていきます。

夏の勢いが少しずつ落ち着き、冬へ向かっていく。

だからこそ、この時期のテーマは、

「今あるものへの感謝」

です。

人生でも、何かを失ってから初めて、

「大切だったんだな」

と気づくことがあります。

だから、失う前に感謝してみる。

当たり前だと思っている日常を、
一度ちゃんと見つめてみる。

温かいご飯があること。
帰る場所があること。

話せる人がいること。
今日も目を覚ましたこと。

特別なことではなくてもいい。

「今あるもの」を数えることも、
ひとつの豊かさなのだと思います。

6.サウィン――「手放す」

10月31日頃

サウィンは最後の収穫と冬の到来を祝うサバト。

現代ではハロウィンとして知られている日でもあります。

伝統的な考え方では、
この時期は生者と死者の境界が薄くなるとされ、

亡くなった人々を思い出したり、
祖先に敬意を向けたりする時期でもありました。

一年の終わりを意識する節目でもあります。

だからサウィンのテーマを一言で表すなら、

「終わらせる」

なのかもしれません。

何かを手放すことは、少し怖い。
人間は、慣れたものを手放すのが苦手だからです。

でも、終わりがあるからこそ、次の始まりがあります。

枯れた葉が落ちるように。
役目を終えたものを土に還すように。

手放すことは、失うことではなく、
次の季節を迎える準備なのです。

7.ユール――「再生する」

冬至頃

一年で最も夜が長くなる冬至。

そして、この日を境に少しずつ昼が長くなっていきます。

ユールは、
闇の中から太陽が再び生まれることを祝うサバトです。

サウィンで「死」を迎えた太陽が、
今度は新しい生命として生まれ変わる。

この物語は、とても美しいと思います。

なぜなら、

暗闇は永遠には続かない

ということを、自然そのものが教えてくれるから。

人生でも、
何をしてもうまくいかないように感じる時があります。

何も進んでいない。
自分だけ取り残されている。

そんな時期もある。

でも冬至の夜が最も長いように、

「暗いから、この先もずっと暗い」

とは限らない。

夜が最も深くなったところから、
少しずつ光が戻ってくる。

ユールは、そんな再生の物語です。

8.インボルク――「整える」

2月2日頃

インボルクは、春の到来に向けて準備をするサバト。

冬至で生まれ変わった太陽の成長と、
大地の回復を祝います。

そして、

「古いものを外へ、新しいものを内へ」

という浄化の意味合いも持っています。

箒で掃除をするという所作も、その象徴です。

これは、現代の私たちにも分かりやすいですよね。

新しい季節を迎える前に、
部屋を片づける。

いらないものを捨てる。
古い書類を整理する。

人間関係を見直す。
ずっと抱えていた感情を整理する。

そうやって余白をつくる。

新しいものを迎えるには、
まず「空ける」必要があります。

インボルクは、

「次の季節のために、自分を整える」

そんな時期なのだと思います。

8つのサバトは、「人生のリズム」を教えてくれる

ここまで8つのサバトを見てきました。

改めて並べてみると、

オスタラ――始める

ベルテーン――育てる

リーザ――力を受け取る

ルーナサ――収穫する

メイボン――感謝する

サウィン――手放す

ユール――再生する

インボルク――整える

そして、またオスタラへ戻ります。

始まりがあって、
成長があって、

収穫があって、
終わりがあって、

再生する。

それは、自然だけの話ではありません。

私たちの人生も同じです。

ずっと頑張り続ける必要はない。
ずっと成長していなくてもいい。

何かを始められない時期があってもいい。
終わらせる時期があってもいい。

何もできないように思える「冬」の時間があってもいい。

自然が季節によって姿を変えるように、
私たちも季節によって姿を変えていい。

私は、サバトの面白さはそこにあると思っています。

魔女じゃなくても、季節を祝っていい

サバトというと、

「魔女の儀式」

というイメージがあるかもしれません。

もちろん、魔術や神々、自然信仰など、
さまざまな文化的背景があります。

でも、その本質を
もっとシンプルに考えてみてもいいと思うのです。

春が来たら、春を感じる。
夏が来たら、太陽の力を感じる。

秋になったら、収穫に感謝する。
冬になったら、静かに休む。

そして一年の終わりには、

「今年もよく生きたな」

と、自分自身を振り返る。

それだけでも、
十分に「季節を生きる」ということになるのではないでしょうか。

日本にも、季節を祝う文化がたくさんあります。

お正月。
節分。

ひな祭り。
七夕。

お月見。
お彼岸。

冬至。

私たちの祖先も、自然の変化に合わせて暮らし、
季節の節目に祈りや感謝を捧げてきました。

形は違っても、

「自然の流れと自分の暮らしを重ねる」

という部分では、どこか似ているのかもしれません。

「今」を感じるために、季節を使ってみる

過去を振り返ることもある。
未来を心配することもある。

でも、私たちが実際に生きられるのは、
いつだって「今」だけです。

だからこそ、季節の節目に立ち止まる。

窓を開けて、空気の変化を感じる。
旬のものを食べる。

花を見る。
火を灯す。

いらないものを手放す。
今年できたことを書き出す。

これから育てたいものを決める。

そんな小さな行為でもいい。

サバトは、特別な人だけが行う特別な儀式ではなく、

「私は今、どの季節を生きているんだろう」

と、自分に問いかけるための時間として捉えることもできます。

もし今、人生がうまく進んでいないように感じているなら。

もしかすると、あなたは「成長の季節」ではなく、
「休む季節」にいるのかもしれません。

もし何かを始めたいと思っているなら。
それは、あなたの中に「春」が来ているのかもしれません。

何かを終わらせたいと思っているなら。
それは、次の季節へ進むための「秋」なのかもしれません。

人生には、いろいろな季節があります。

だから、

今の自分を、無理に別の季節に連れていかなくてもいい。

春には春を。
夏には夏を。

秋には秋を。
冬には冬を。

その季節にしかできないことを、
その季節の自分で味わえばいい。

そうやって一年を重ねていくことが、もしかしたら
「自分の人生を、自分で生きる」ということなのかもしれません。

あなたは今、どんな季節を生きていますか?

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