なぜ、煙は魔除けになるのか?―霊・お香・タバコと「火」の魔術

こんにちは。御統いつきです。

あなたは、霊を見たことがありますか?

私は「霊が見える人」ではありません。

幽霊を見たこともありませんし、
幽霊が絡むような心霊現象を経験したこともありません。

ただ、霊障と呼ばれるものを
経験したことはあります。

だからこそ、
魔術やオカルトを研究していると、
ふと疑問に思うことがあります。

それは、

「昔の人は、目に見えないものを
どうやって追い払っていたのだろう?」

ということ。

塩。
刃物。
お札。
お経。

そして――

煙。

実は、煙には昔から、

「霊は煙を嫌う」
「不浄なものは煙に近づくことができない」

という言い伝えがあります。

今回は、この「煙の魔除け」について
掘り下げてみたいと思います。

本当に、煙で霊を追い払えるの?

最初に、正直に言っておきます。

私は霊が見えません。

だから、

「煙を出せば霊が逃げますよ!」

と言われても、
私自身には確かめる方法がありません(笑)

ただ、昔から
「煙によって霊的なものを遠ざけた」
という話はあります。

たとえば、
心霊現象に遭遇した人がタバコを吸ったところ、
何事もなくなった――という体験談。

もちろん、これだけで
「タバコの煙には霊を追い払う力がある」
と科学的に証明されたわけではありません。

興味深いのは、
こうした「煙によって怪異を退ける」という発想が、
現代のネット怪談だけではなく、

魔術やオカルトの世界にも広く見られる

ということです。

実際、HIKAKINさんの
「ジジキンから聞いた本当にあった怖い話」にも、
タバコの煙にまつわる興味深い話が登場します。

では、なぜ煙なのでしょうか?

魔術では「煙」は特別な存在

西洋魔術では、お香――
つまりインセンスは非常によく使われます。

儀式の際に焚く。
魔術具や空間を浄化する。

瞑想するときに使う。

意識を切り替え、
トランス状態に入りやすくする。

そして、お香そのものをメインにして行う、

「インセンスマジック」

と呼ばれるものまであります。

つまり、

「煙を焚く」という行為そのものが、
魔術の世界では珍しくない

のです。

これは西洋だけではありません。

日本でも仏壇には線香を立て、
葬儀や法事では焼香をします。

キリスト教圏でも、
フランキンセンスやミルラなどの香が
祈りの場で用いられてきました。

特に東方正教会では、
礼拝において香を焚く習慣がよく知られています。

ここまで見てみると、
ちょっと不思議ではありませんか?

文化も宗教も違うのに、

「祈り」と「煙」

が何度も結びついているのです。

煙は「こちら側」と「あちら側」をつなぐ

では、なぜ煙なのでしょうか。

魔術的な世界観から考えると、
その答えのひとつが、

「煙は境界を越えるものだから」

です。

煙は、火から生まれます。
そして空気の中へ上っていく。

手でつかむことはできない。
形があるようで、形がない。

下から上へ移動し、やがて見えなくなる。

つまり煙は、

「物質でありながら、物質ではないように見える存在」

なのです。

この「境界的な性質」が、
宗教や魔術において重要な意味を持ってきました。

日本の線香の煙を思い浮かべてみてください。

煙がゆっくりと立ち上り、
その煙を見ながら手を合わせる。

そこには、

「目に見える世界から、
目に見えない世界へ何かを届ける」

というイメージがあります。

西洋の宗教儀礼でも、香は祈りと結びついてきました。

つまり煙は、

「こちら側」と「あちら側」の境界を行き来するもの

として捉えることができるのです。

魔術では「火」が特別な意味を持つ

ここから、
もう一歩魔術の世界に入ってみましょう。

西洋魔術では、
世界を構成する基本的な要素として、

火・風・水・土

という四大元素が考えられてきました。

この四つは、
単なる「自然現象」というだけではありません。

それぞれが象徴的な意味を持っています。

その中でも「火」は、

エネルギー、意志、浄化、力

などと結びつけられてきました。

火は、ものを燃やします。

木も。
紙も。
香料も。

そして、不要なものを灰へと変えてしまう。

だからこそ魔術的には、

「火=不要なものを焼き尽くし、浄化する力」

と考えることができます。

そして、その火から生まれるのが煙です。

だから、

火 → 煙 → 浄化・境界

というイメージが生まれていく。

もちろん、これはあくまで
西洋魔術における象徴体系の話です。

科学的に「火のエネルギーが霊を浄化する」
という意味ではありません。

しかし、

「なぜ魔術師たちは煙を儀式に使ってきたのか?」

と考えると、非常に面白い構造が見えてきます。

そして「タバコ」も魔除けになる?

ここで、ちょっと変わった話をしましょう。

煙が魔除けになるという話の中には、
「タバコの煙も魔除けになる」というものがあります。

実際、心霊現象に遭遇した人が
タバコを吸ったところ、難を逃れた――
という体験談もあります。

ただし、

私はタバコが大っ嫌いです(笑)

なので、タバコを使った魔術を紹介されても、

「いや、それはやりたくない・・・」

となります。

では、なぜタバコが魔術と結びつくのでしょうか。

ここで登場するのが、
火星(Mars)です。

タバコと「火星」の魔術

西洋魔術やハーブ魔術の伝統では、
植物と惑星を対応させて考えることがあります。

タバコは、その対応関係の中で
火星と結びつけられることがあります。

火星。

英語ではMars。

その名前の由来となったのは、
ローマ神話の軍神マルスです。

そして西洋占星術・魔術の伝統において火星は、

勇気

戦い
活力
勝利

といったテーマを象徴します。

つまり火星は、

「戦う力」

を持った惑星なのです。

だから、火星と対応すると考えられる植物や道具が、
「魔除け」や「邪悪なものへの対抗」
というテーマで使われることがあります。

日本で魔除けとして知られる唐辛子も、
魔術的な対応関係では火星と結びつけられます。

面白いですよね。

「辛いから魔除け」というだけではなく、

「火星という、戦いと力を象徴する存在と
結びついているから魔除けに使われる」

という考え方があるわけです。

『ソロモンの大いなる鍵』にも「悪霊を遠ざける護符」がある

そして、ここで西洋魔術の有名な魔術書、

『ソロモンの大いなる鍵』

が登場します。

この魔術書には、
七惑星に対応した「惑星護符」が収録されています。

その中でも非常に興味深いのが、
「火星5護符」です。

伝統的な説明では、
この護符は悪霊を恐れさせ、
術者を守るためのものとされています。

護符の中央には蠍が描かれ、
その周囲にはヘブライ文字が配置されています。

さらに円周には旧約聖書
『詩篇』91篇13節の言葉が記されています。

その聖句は、

あなたは獅子と毒蛇を踏みつけ、
若獅子と蛇を踏みにじろう。

というもの。

・・・なかなか物騒で強そうですよね(笑)

人間ですら、
「ライオンと毒蛇に勝て」と言われたら、
「無理です」となるでしょう。

それを、「踏みつける」という。

火星という「戦い」「勇気」「勝利」の象徴に
ふさわしい護符だと思います。

つまり「煙」は、ただの煙ではない

ここまで見てくると、
「霊は煙を嫌う」という昔からの言い伝えが、
少し違って見えてきませんか?

煙そのものに、

「幽霊を殺す力がある」

という単純な話ではないのです。

魔術や宗教の世界では、

火=浄化・力
煙=境界を越えるもの
香=祈り・儀式

という象徴が積み重なっています。

だからこそ、

煙を焚くことで、場を切り替える。
煙を焚くことで、祈りを届ける。
煙を焚くことで、邪悪なものを遠ざける。

という文化が生まれてきたのではないでしょうか。

そして、それは日本の線香や焼香にも、
どこか通じるものがあります。

ただし、タバコはおすすめしません

ここは大事なので、最後にもう一度。

「煙が魔除けになる」=「タバコを吸えばいい」

という話ではありません。

タバコには健康上のリスクがあります。

特に、「霊が怖いからタバコを吸おう!」
という発想は、私はおすすめしません。

煙を魔術的な意味で使いたいのであれば、
タバコではなく、お香など別の方法があります。

魔術には、タバコ以外にも
さまざまなインセンスがあります。

自分の身体を傷めてまで、
魔除けをする必要はありません。

心霊スポットに行く前に、知っておいてほしいこと

夏になると、
怪談や肝試しの季節になります。

「怖い話をする」くらいならいいと思います。

でも、

心霊スポットへ遊び半分で行くことは、
私はおすすめしません。

これは霊がいる、いないという話以前に、

建物の老朽化。
崖や水辺。
野生動物。
不法侵入。
犯罪。

さまざまな現実的な危険があります。

そして、もしそれでも何かの理由で
そうした場所へ行くのであれば、

「自分の家ではない場所に入る」

という最低限の礼儀は忘れないでください。

「お邪魔します」と挨拶する。
ゴミを捨てない。
落書きをしない。
物を持ち帰らない。
荒らさない。

そして、何か嫌な感じがしたら、
「お邪魔しました」と言って帰る。

霊がいるかどうか以前に、
人間として、場所に敬意を払う。

私はそれが一番大切だと思います。

まとめ――煙が教えてくれること

今回は、

「なぜ煙は魔除けになるのか?」

というテーマを、魔術の視点から考えてみました。

煙は昔から、

祈り。
供養。
浄化。
魔除け。
儀式。

そして、目に見えない世界との接点。

そうしたものと結びついてきました。

もしかすると、人間は昔から、

「目に見えないものに、
どう向き合えばいいのかわからなかった」

のかもしれません。

だからこそ、

火を焚き、
香を焚き、
煙を立ち上らせ、
祈りを捧げてきた。

煙が本当に霊を追い払うのか?

それは、私にはわかりません。

私は霊が見えませんから。

でも、

「なぜ人間は、煙に魔除けの力を見出してきたのか?」

という問いなら、
研究することができます。

そして、私はそういうところに
オカルトの面白さがあると思っています。

「幽霊はいるのか?」

だけではなく、

「人間はなぜ、霊を恐れ、祈り、供養し、
そして魔除けをしてきたのか?」

そこまで考えてみる。

すると、オカルトは単なる怖い話ではなく、

人間が世界をどう理解してきたのかを知るための、
ひとつの窓

にもなるのです。

そして、もし夜の神社や
心霊スポットへ行こうとしている方がいるなら――

私はもう一度だけ言っておきます。

「触らぬ神に祟りなし」。

煙よりも何よりも、

「行かない」という選択が、
一番強力な魔除けかもしれません。

コメント

  1. 米田 より:

    左手中指にシルバーリングで魔除けとありますが、
    検索したら右手中指というのがでてきます。
    どちらにつけるのが良いのでしょうか。

    • 御統いつき 御統いつき より:

      コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ございません・・・

      西洋魔術では「中指は最も弱く、外界からの影響を受けやすい指」とされ、有名なソロモンの魔術書にも「術者は必ず左手中指に銀の指輪をはめること」と言及されています。中指は霊的に弱いとされていますが、特に左手中指が一番弱いので防御するなら左手中指がベストです。

      さらに、以下の3点を踏まえて行うとより効果的です!

      ・安価なものでも良いので必ず925以上の純度のシルバーリングを使用する
      ・使用するシルバーリングにご自身で願掛けをする
      ・左手中指につける

      参考になりましたら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました